リモートワークの代謝低下に挑む!自宅で道具いらずの全身自重トレ
リモートワークが常態化する中で、通勤がなくなったことや座っている時間が増えたことにより、「以前より疲れやすくなった」「体重が増えやすくなった」といった体の変化を感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。これは、活動量の減少による代謝の低下が一因である可能性が考えられます。
しかし、運動不足解消のためにジムに通う時間や手間を確保することは、リモートワークの合間には難しいかもしれません。そこで、特別な道具を一切使わず、ご自宅で手軽に取り組める全身自重トレーニングに注目してみてはいかがでしょうか。今回は、活動代謝の向上を目指すための自重トレーニングとその継続方法について解説いたします。
活動代謝とは何か? なぜ自重トレが有効なのか
活動代謝とは、日常的な身体活動によって消費されるエネルギーのことです。安静時の基礎代謝に加え、通勤、仕事中の動き、家事、運動など、体を動かすことで消費されるカロリーを指します。リモートワークでは、この活動代謝がオフィス勤務時と比べて大幅に減少する傾向にあります。
活動代謝を上げるためには、体を積極的に動かすことが不可欠です。自重トレーニングは、ご自身の体重を負荷として利用するため、特別な道具や広いスペースを必要とせず、自宅で手軽に始められます。さらに、筋肉量を維持・向上させる効果が期待できます。筋肉は安静時でもエネルギーを消費するため、筋肉量が増えると基礎代謝の向上にもつながります。また、トレーニングによって血行が促進されることも、代謝機能の活性化に貢献します。
代謝アップを目指すための全身自重トレーニング種目
代謝アップのためには、特定の部位だけでなく、全身の大きな筋肉をバランス良く刺激することが重要です。以下に、初心者の方でも取り組みやすく、全身の活動代謝向上に繋がりやすい自重トレーニング種目をいくつかご紹介します。
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スクワット: 「キング・オブ・エクササイズ」とも呼ばれるスクワットは、太もも、お尻、ふくらはぎといった下半身の大きな筋肉群を一度に鍛えることができる非常に効率的な種目です。下半身の筋肉量は全身の筋肉量の大部分を占めるため、スクワットは代謝アップに大きく貢献します。
- 正しいフォームのポイント: 足を肩幅程度に開き、つま先を少し外側に向けて立ちます。背筋を伸ばし、目線はまっすぐ前を見ます。椅子に座るように、お尻を後ろに突き出すイメージで膝を曲げて腰を下ろしていきます。太ももが床と平行になるまで下ろすのが理想ですが、最初は無理のない範囲で構いません。膝がつま先よりも前に出すぎないように注意し、内股にならないよう気をつけましょう。立ち上がる際も、お尻と太ももの筋肉を意識してゆっくりと元の姿勢に戻ります。
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プッシュアップ(膝つきプッシュアップも可): 胸、肩、二の腕、そして体幹を同時に鍛えることができる上半身の代表的な自重トレーニングです。
- 正しいフォームのポイント: うつ伏せになり、肩の真下に手を置きます。頭からかかとまでが一直線になるように体を支えます。肘を曲げて胸を床に近づけます。この際、脇を広げすぎず、体に対して斜め45度くらいの角度に保つと肩への負担が軽減されます。腹筋にも力を入れて、お腹が床に落ちないように体幹を安定させます。もし難しい場合は、膝をついて行っても効果は得られます。膝をつく場合も、頭から膝までが一直線になるように意識しましょう。
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ランジ: スクワットと同様に下半身全体、特にお尻や太もも前後に効果的なトレーニングです。片足ずつ行うため、バランス感覚の向上にも役立ちます。
- 正しいフォームのポイント: 足を揃えて立ちます。片足を大きく一歩前に踏み出し、膝を曲げます。前の膝は足首の真上にくるように、後ろの膝は床に近づけるように下ろします。このとき、前の膝がつま先よりも前に出すぎないように注意してください。上半身はまっすぐ保ち、ふらつかないように体幹にも力を入れます。元の姿勢に戻る際、前の足のお尻と太ももの筋肉を意識して力を入れます。左右交互に行いましょう。
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プランク: 腹筋、背筋、お尻など、体幹全体の筋肉を効果的に鍛えることができるスタビリティ(静止)トレーニングです。体幹を安定させることは、他のトレーニングの効果を高めるだけでなく、日常の動作や姿勢改善にも繋がります。
- 正しいフォームのポイント: うつ伏せになり、肘を肩の真下につき、つま先を立てて体を支えます。頭からかかとまでが一直線になるように、お腹とお尻を引き締めます。腰が反ったり、お尻が上がりすぎたりしないように注意してください。呼吸は止めずに自然に行います。最初は20秒から始め、徐々に時間を長くしていくと良いでしょう。
代謝アップのための実践メニュー例
これらの種目を組み合わせて、以下のようなメニューを週に2〜3回行うことから始めてみてはいかがでしょうか。
- スクワット 10回
- プッシュアップ(膝つき可) 可能な回数
- ランジ 左右 各10回
- プランク 20〜30秒キープ
これらの種目を順番に行い、1セットとして、セット間に1分程度の休憩を挟みながら、合計2〜3セット繰り返します。最初は回数や秒数にこだわらず、正しいフォームで丁寧に行うことを意識してください。慣れてきたら、徐々に回数を増やしたり、休憩時間を短くしたりして負荷を調整していくことができます。
継続のためのヒント
自宅でのトレーニングを習慣化し、代謝アップの効果を実感するためには、継続が鍵となります。
- 時間を決める: 毎日または週に数回、トレーニングを行う時間を決めておくと、習慣化しやすくなります。
- 無理のない範囲から始める: 最初から高い目標を設定せず、まずは数回でも良いので毎日続けることを意識しましょう。完璧を目指すよりも、まず「始める」ことが大切です。
- 記録をつける: トレーニング内容や回数、体調などを簡単に記録しておくと、自分の進歩が見えやすくなり、モチベーション維持に繋がります。
- 小さな変化を楽しむ: 体重の変化だけでなく、「体が軽くなった」「疲れにくくなった」「姿勢が良くなった」といった小さな変化に気づき、それを楽しむようにしましょう。
- スキマ時間を活用する: 全ての種目を一度に行う必要はありません。例えば、お昼休憩にスクワットを数回、夕食前にプランクを行うなど、細切れの時間を活用するのも効果的です。
まとめ
リモートワークによる活動量の減少は、代謝低下を引き起こす可能性がありますが、自宅で手軽に取り組める自重トレーニングは、この課題に対処するための有効な手段です。今回ご紹介した全身運動は、大きな筋肉を効率良く鍛え、活動代謝の向上をサポートします。
最も重要なのは、完璧を目指すことではなく、ご自身のペースで楽しみながら継続することです。まずは一つでも良いので、今日から始めてみてはいかがでしょうか。毎日の小さな積み重ねが、リモートワークにおける健やかな体と心を作る助けとなるでしょう。