リモートワークの合間に手軽にできる 座ったまま・立ったままの自重トレーニング
リモートワークが定着し、自宅での仕事時間が増えるにつれて、「座りっぱなしで体が固まる」「運動不足を感じる」といったお悩みを抱える方は少なくありません。ジムに行く時間がない、広いスペースがない、特別な道具を持っていないなど、自宅での運動開始にハードルを感じることもあるかと思います。
しかし、ご安心ください。自宅で、しかも座ったままや立ったままといった日常的な姿勢のまま、特別な道具を一切使わずに全身を効果的に動かす自重トレーニングは十分に可能です。今回は、リモートワークの合間に手軽に取り組める、座ったまま・立ったままできる自重トレーニングをご紹介します。
なぜ座ったまま・立ったままの自重トレが有効なのか
リモートワーク中に座ったまま、あるいは少しの隙間に立ったままできる自重トレーニングには、いくつかの利点があります。
- 手軽さと継続性: 大掛かりな準備が不要なため、仕事の合間や休憩時間といった短い時間にも気軽に取り組めます。これにより、運動習慣を無理なく継続しやすくなります。
- 場所を選ばない: デスク周りやリビングの小さなスペースがあれば十分に行えます。
- 全身のリフレッシュ: 同じ姿勢で固まりがちな体を動かすことで、血行が促進され、気分転換や集中力の維持にもつながります。
- 道具不要: 体重を利用するため、ダンベルやチューブなどのトレーニング器具は必要ありません。
これらの利点を活かし、体のケアと運動不足解消を両立させましょう。
座ったままできる簡単自重トレーニング
デスクワークの合間に椅子に座ったままできるトレーニングです。主に上半身や体幹、下半身の一部をターゲットにします。
肩回し・首回し
長時間前傾姿勢になりがちな肩や首の凝りを和らげます。
- 方法:
- 背筋を伸ばし、椅子に深く腰掛けます。
- 肩をゆっくりと前回し、後ろ回しと行います。それぞれ10回程度行います。
- 首をゆっくりと左右、前後、回旋させます。大きく回す際は無理のない範囲で行い、各方向で数秒キープすると効果的です。
- ポイント: 呼吸を止めず、ゆっくりと丁寧に行います。痛みを感じる場合は無理せず中止してください。
チェストエキスパンション(座位)
猫背になりやすい姿勢を改善し、胸を開きます。
- 方法:
- 背筋を伸ばし、椅子に座ります。
- 両腕を体の横、または少し後ろに伸ばします。
- 肩甲骨を寄せるイメージで、胸を張ります。この時、腕を少し後ろに引くように意識します。
- 数秒キープし、元の姿勢に戻ります。これを10回程度繰り返します。
- ポイント: 腕の力だけでなく、背中(肩甲骨周り)の筋肉を意識して行うことが重要です。
ドローイン(座位)
体幹部のインナーマッスルを活性化させ、姿勢の維持や腰痛予防に役立ちます。
- 方法:
- 椅子に座り、背筋を伸ばしてリラックスします。
- 鼻から息をゆっくり吸い込み、お腹を膨らませます。
- 口からゆっくりと息を吐き出しながら、お腹をへこませ、おへそを背骨に引き寄せるイメージで腹筋を意識します。息を完全に吐き切った状態でお腹をへこませたまま数秒キープします。
- これを5〜10回程度繰り返します。
- ポイント: 腹式呼吸で行い、お腹周りが固くなるのを感じてください。
立ったままできる簡単自重トレーニング
デスクから離れて少しスペースがあればできるトレーニングです。下半身を中心に、全身を動かします。
浅いスクワット(椅子サポート)
下半身の大きな筋肉を使い、代謝アップや筋力維持に効果的です。椅子を使い、無理のない範囲で行います。
- 方法:
- 椅子の前に立ち、足は肩幅程度に開きます。つま先は少し外向きでも構いません。
- 椅子に腰を下ろすようなイメージで、お尻を後ろに突き出しながら膝を曲げます。太ももが床と平行になるまで深く腰を下ろす必要はありません。椅子の座面に軽く触れる程度でも十分です。
- ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
- これを10〜15回程度繰り返します。
- ポイント: 膝がつま先よりも前に出すぎないように意識します。椅子を使うことで、後方への転倒リスクを減らし、正しいフォームを意識しやすくなります。
カーフレイズ
ふくらはぎの筋肉を鍛え、むくみ対策や血行促進に役立ちます。
- 方法:
- 壁や椅子の背もたれなどに軽く手を添えてバランスを取ります。
- 両足のかかとをゆっくりと持ち上げ、つま先立ちになります。
- つま先立ちの状態で数秒キープし、ゆっくりとかかとを下ろします。
- これを15〜20回程度繰り返します。
- ポイント: ふくらはぎの収縮をしっかり意識し、かかとを下ろす時もコントロールしながらゆっくり行います。
アームサークル
肩周りの可動域を広げ、血行を促進します。
- 方法:
- 足を肩幅に開いて立ちます。
- 両腕を体の横に伸ばします。
- 小さな円を描くように、腕を前回し、後ろ回しと行います。徐々に円を大きくしていきます。
- それぞれ10〜15回程度行います。
- ポイント: 肩甲骨から動かすイメージで行います。腕の力だけでなく、肩周りの筋肉を意識します。
効果を実感するための実践ポイント
これらのトレーニングは、一度にすべてを行う必要はありません。仕事の区切りや休憩時間などに、数種目をピックアップして行うだけでも効果があります。
- 正しいフォームの確認: 各エクササイズの正しいフォームは、効果を最大化し、怪我を防ぐために非常に重要です。可能であれば、信頼できる動画サイトなどで正しい動きを確認しながら行ってください。
- 無理なく続ける: 最初から高い目標設定はせず、まずは1日1回、1種目からでも構いません。習慣化することが最も大切です。
- セット回数と休憩: 各種目10回〜20回を目標に、1セットから始めます。慣れてきたらセット数を増やしたり、他の種目と組み合わせたりしてみましょう。
- 体の声に耳を傾ける: 痛みや違和感がある場合はすぐに中止してください。
まとめ
リモートワーク中の運動不足解消や体の不調改善は、日々の小さな積み重ねによって実現できます。ご紹介した座ったまま・立ったままできる自重トレーニングは、特別な道具も広いスペースも不要で、誰でも手軽に始められるものばかりです。
仕事の合間の気分転換として、あるいは毎日のルーティンの一部として、まずは今日から一つでも良いので試してみてはいかがでしょうか。継続することで、心身ともに軽やかになり、より快適なリモートワークライフを送ることができるでしょう。