リモートワーク中の血行促進と集中力アップに繋がる自宅自重トレーニング
リモートワークが日常となり、自宅で過ごす時間が増えた方も多いかと存じます。通勤がなくなるなどのメリットがある一方で、長時間座りっぱなしになることで、体の様々な不調を感じる方もいらっしゃるかもしれません。特に、血行不良やそれに伴う体の凝り、そして集中力の維持に課題を感じるケースは少なくありません。
本記事では、これらのリモートワーク特有の悩みに対応するため、自宅で道具を使わずに手軽に実践できる自重トレーニングに焦点を当て、血行促進と集中力向上に繋がる運動方法をご紹介いたします。
なぜ自重トレーニングが血行促進と集中力向上に役立つのか
自重トレーニングは、自身の体重を負荷として行う運動です。これにより全身の筋肉を効果的に使い、いくつかの側面から血行促進と集中力向上に貢献します。
- 血行促進: 筋肉は「第二の心臓」とも呼ばれ、収縮と弛緩を繰り返すことでポンプのように血液の循環を助けます。特に下半身のような大きな筋肉を動かすことは、全身の血流を促す上で非常に効果的です。自重トレーニングで全身の筋肉を使うことは、座りっぱなしで滞りがちな血流を改善し、冷えやむくみの軽減に繋がります。
- 集中力向上: 運動によって血流が改善されると、脳への酸素供給量が増加します。これにより、脳機能が活性化され、集中力や思考力の向上が期待できます。また、適度な運動はストレスホルモンの分泌を抑制し、気分転換にもなるため、仕事の効率を高める上でも有効です。
リモートワークの合間に取り組みたい自重トレーニング種目
ここでは、全身の血行を促し、脳のリフレッシュにも繋がる、自宅で手軽にできる自重トレーニング種目をいくつかご紹介します。特別な道具は一切必要ありません。
1. スクワット
「キング・オブ・エクササイズ」とも呼ばれるスクワットは、下半身全体、特に太ももやお尻の大きな筋肉を効率的に鍛えられます。下半身の筋肉をしっかり使うことで、全身の血流を力強く促すことができます。
- 方法:
- 足を肩幅よりやや広めに開いて立ちます。
- つま先を軽く外側に向けます。
- 椅子に座るようなイメージで、お尻を後ろに突き出しながら膝を曲げて腰を下ろします。
- 太ももが床と平行になるまで下ろすことを目指しますが、難しい場合は無理のない範囲で行ってください。
- 膝がつま先よりも前に出すぎないように注意し、背筋は伸ばしたまま行います。
- 立ち上がる際は、お尻と太ももの筋肉を意識して行います。
- 注意点: 膝や腰に痛みを感じたらすぐに中止してください。正しいフォームで行うことが重要です。動画などを参考に、鏡で確認しながら行うと良いでしょう。
2. プッシュアップ(膝つき)
上半身、特に胸、肩、二の腕を鍛えることができるプッシュアップは、上半身の血行促進に役立ちます。通常のプッシュアップが難しい場合は、膝をついて行う方法から始めるのがおすすめです。
- 方法:
- 床に四つん這いになり、手は肩幅よりやや広めに、指先を前に向けます。
- 膝を床につけたまま、体を一直線に保ちます(頭から膝までが斜め一直線になるイメージです)。
- 息を吸いながら、ゆっくりと肘を曲げ、胸を床に近づけます。
- 息を吐きながら、元の位置に戻ります。
- 注意点: 腰が反りすぎたり、お尻が突き出たりしないように、体幹をしっかり固定します。肩甲骨を寄せるように意識すると、より効果的に胸の筋肉を使えます。
3. バックエクステンション
デスクワークで丸まりがちな背中周りの筋肉を鍛え、姿勢改善にも繋がる種目です。背中の筋肉を意識的に使うことで、背中周りの血行を改善し、肩こりや腰痛の軽減にも役立ちます。
- 方法:
- うつ伏せになり、手は頭の後ろか、腰に置きます。
- 息を吸いながら、背中の筋肉を意識して、上体をゆっくりと起こします。
- 腰を反りすぎないように、お腹は軽く引き締めます。
- 息を吐きながら、ゆっくりと元の位置に戻ります。
- 注意点: 首だけで持ち上げたり、勢いをつけたりしないように注意します。背中の筋肉で上体をコントロールすることを意識してください。
4. ランジ
スクワットと同様に下半身を鍛えますが、片足ずつ行うため、バランス感覚の向上にも繋がります。股関節周りをしっかりと動かすことができるため、座りっぱなしによる股関節の硬さ改善にも効果が期待できます。
- 方法:
- 足を揃えて立ちます。
- 片足を大きく前に踏み出し、腰を下ろします。
- 前の足の膝は90度程度に曲げ、つま先よりも前に出ないようにします。後ろ足の膝は床に近づけますが、床につけなくても構いません。
- 上体はまっすぐ保ちます。
- 踏み出した足で床を蹴るようにして、元の位置に戻ります。
- 左右交互に行います。
- 注意点: バランスを崩しやすい種目です。必要であれば壁や椅子に軽く手をついて行っても構いません。膝や足首に痛みを感じたら中止してください。
これらの種目を組み合わせ、1セット10〜15回程度を目標に、2〜3セット行うことから始めてみてはいかがでしょうか。休憩時間は30秒〜1分程度を目安にしてください。
運動習慣を無理なく継続するためのヒント
自宅でのトレーニングを続けるためには、いくつかの工夫が必要です。
- 時間と場所を決める: 「毎日〇時になったら△△でやる」のように、具体的な時間と場所を決めることで、実行しやすくなります。
- 短時間から始める: 最初から多くの種目やセット数をこなそうとせず、まずは5分や10分でも良いので、できる範囲で始めることが大切です。
- 「できた」を記録する: 簡単な記録をつけることで、達成感を得られ、モチベーション維持に繋がります。
- 目的を意識する: 「血行を良くして冷えを改善したい」「集中力を高めて仕事を効率化したい」など、自分がなぜ運動するのかを明確にしておくことで、継続するモチベーションになります。
まとめ
リモートワークによる運動不足や長時間同じ姿勢でいることによる体の不調は、多くの方が抱える悩みです。しかし、特別な道具がなくても、自宅で手軽に取り組める自重トレーニングは、血行促進や集中力向上に非常に有効な手段となります。
ご紹介した種目を参考に、まずはご自身のペースで運動を始めてみてください。正しいフォームで行うことを心がけ、無理なく継続することで、リモートワーク中の心身の健康維持に繋がるはずです。定期的な運動で血流を改善し、クリアな頭で仕事に取り組めるよう、ぜひ日々の習慣として取り入れてみてはいかがでしょうか。